新日本海洋社様
業種 | 海洋事業サービス |
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利用規模 | 船舶の乗組員含め約200~300名規模 |
用途 | 船舶の不具合復旧プロセスのマニュアル(修理マニュアル、不具合対応事例等) |
利用プラン | エントリープラン |
- 導入背景
- 航海中の船舶からも簡単に、必要情報にアクセスできる環境構築を行いたい
- 目的
- 情報の一元管理と船舶とのコミュニケーションの質の改善
- 効果
- 現場の自己解決力向上、現場とのコミュニケーションの質の向上
はじめに
株式会社 新日本海洋社様は日本郵船株式会社を100%株主とする海洋事業サービス会社です。
業務効率化の目的で基幹システムの導入検討を進められていましたが、システム導入となると高額な為、重要課題にフォーカスして改善に取り組む方向へ変更されました。その中で船舶での不具合発生時等の対応品質向上を目的として、弊社のオンラインマニュアル作成サービスCOCOMITEを導入頂きました。今回は船舶管理や設備管理を主業務とされ、COCOMITEを活用したマニュアル作成を主幹される工務部 次長の石田様にお話を伺いました。
COCOMITE導入の背景
これまでのマニュアル運用における課題感やCOCOMITEの導入背景を教えてください。
今までの運用方法には下記のような課題がありました。
課題①船舶(現場)との情報共有
航海中の船舶との情報共有が長年の課題になっていました。船舶は常に海洋上を移動しており通信環境も不安定な状況ですので、船舶から会社のサーバーを通したセキュアな環境へのアクセスが難しい状況でした。そのような環境下で船舶の不具合等が発生時した際に、復旧手順等の必要な情報にすぐにたどり着けないという課題がありました。
課題②情報の一元管理と一覧性の担保
また以前はWord、Excel、PowerPoint等Officeのソフトでマニュアルを作成し会社のサーバーに保存していました。この方法だと様々なフォーマットのマニュアルが出来てしまい、情報がちらばりがちであったり、ファイルを開かないと記載内容が分からない等、一覧性に欠ける状況でした。更にファイルの件名のつけ方も人それぞれでしたので、検索性も非常に悪く、運用・管理の面で様々な課題がでていました。
このような課題を解決する為に、効率よく船舶の設備管理の情報を作成・共有・管理・運用することができ、船舶からも簡単にアクセスできるようなクラウドツールを探していました。
COCOMITE導入の決め手
他ツールとの違いや、導入の決め手はどんなところでしたか。
使いやすくシンプルなUIで自社の課題解決や導入イメージを持つことが出来たところです。
上記のような課題感を持ちツールを探していたところ、ウェブ検索でCOCOMITEを見つけました。類似サービスは他にもありましたが、COCOMITEはHPが非常にわかりやすく、「自社がやりたいことを実現できそう!」ということがすぐに分かりました。現状の共有フォルダでの運用と同じ感覚で、誰でも簡単に使えそうなツールというイメージでしたね。ツールの導入にあたり閲覧を行う船舶で、インストール作業などの事前の作業も不要な為、導入もスムーズに進みそうという実感も持てました。
ウェブサイトの情報だけで自社での活用方法のイメージがわいたのと、その後の無料トライアルで実際の使用感と運用イメージを確認出来た為、ツール導入まで約2か月と非常にスムーズでした。結局他社さんのサービスは資料請求すら行わずにCOCOMITEの導入を決めました。
COCOMITEの導入効果
COCOMITE導入後、効果は実感頂けていますか。
はい。おかげさまで下記のような効果を感じています。
・シンプルなUIで使い方に関する問い合わせがゼロ
まず、COCOMITEの使い方を特に説明しなくても問合せが一件もなく、スムーズに自社のファイルサーバーからCOCOMITEを閲覧するフローに切り替えることが出来ました。船舶は通信状態も良くありませんので、船舶と陸の事務所間でのやり取りは最小限に抑えたいところですので「使い方が分からない」等の問い合わせが一件もなくツール導入が出来たのは助かりました。COCOMITEは共有フォルダと同じような見え方、使い方なので、初めての人でも使い方に迷うことなく使用することが出来ます。
・通信状態の悪い船舶(現場)での閲覧が可能で自己解決力向上
船舶には航海士と機関士がおりますが、例えば機関士がエンジンの調子が悪いなと思った時に、他の船舶でも似たような事例がないか?ということで「機関部」のフォルダをクリックして他船舶の不具合事例を確認したり、メーカー毎のエンジンの仕様書を確認出来たりと、事務所に問合せを行わずとも、船舶内で自己解決できる仕組みを構築できました。
・マニュアルの閲覧数の見える化により、作成者のモチベーション向上
また、例えば今までは工務部から船舶への連絡ということでお知らせを作成し、都度メールに添付して関係者へ共有していましたが、そもそもメールを開封したのか?ちゃんとお知らせを見てくれているのか?という部分が全く分からず不安でした。それが工務部からの通達をCOCOMITEに掲載するようになってからは、毎月のマニュアル閲覧数が閲覧ログ機能から数値で確認できるので「みんなちゃんと見てくれている!」という作成者側の自信やモチベーション向上にも繋がりました。
・船舶(現場)とのコミュニケーションの質向上
船舶から工務部へ、船舶の不具合に関する問い合わせや連絡が激減したわけではありませんが、COCOMITE導入後はあらかじめCOCOMITEを確認してから事務所へ連絡が入る形になった為「COCOMITE掲載の〇〇の事例と似たような事象が起きているのですが・・・」というように一次報告の質が向上しました。
その結果、事務所としてもより適切な一次回答をすることが出来るようになりましたので、船舶側、事務所側双方ともに問合せに関するやり取りの品質が向上したと感じています。
・他拠点に散らばる現場事例の横展開
またCOCOMITE導入前は乗組員が他の船舶の故障事例等を知るチャンスはありませんでしたが、今は乗組員にCOCOMITEが浸透したことで、各自他船舶のトラブルや対応事例等もCOCOMITE上で確認してもらっているようです。
我々も問い合わせの多い事例をCOCOMITEで作成・公開を行ったり、同様のトラブルが続いているようなことがあれば、その対応策をまとめて公開する等しています。事務所と27隻ある船舶全体で情報を一元管理し共有が出来る為、必要な情報を必要な人に適切に届ける仕組みを構築できたと感じています。
・フォーマットの統一による視認性/一覧性の向上
マニュアルを作成するときも、COCOMITEは統一フォーマットが決められているので、以前よりもばらつきが減り、見やすく情報をまとめることが出来るので助かっています。
マニュアル運用で大事にしていること
マニュアル運用で大事にされていることや、気を付けている点等ありましたら教えてください。
なるべく「乗組員の言葉」を使い、できるだけ簡潔に書くようにしています。また必要情報は漏れなく記載しつつも、一つのマニュアル(事例)があまりボリューミーになりすぎないようにすることを意識しています。
しっかりとした「マニュアル(手順書)」を作成しようとすると、作成や更新のハードルが高くなってしまう部分がありますので、今は事例をベースにしてその解決案を記載する、等の運用で作成・更新の頻度を高く現場に必要な情報を共有する仕組みをCOCOMITE上で構築しています。
今後の展望
最後に今後の展望をお聞かせ頂けますと幸いです。
まだ着手出来ていない部分ではありますが、COCOMITEの本来的な使い方である「しっかりとしたマニュアル(手順書)」を作っていきたいという思いがあります。
例えば類似した故障事例等もある程度事例や情報がたまってくると「共通項」が見えてきたりします。このあたりを抽出し、言語化していけるとより汎用性の高いマニュアル(手順書)が出来ると思っていますので、今後は第二フェーズとしてこのようなマニュアル(手順書)の作成にも着手していけるとベストだと感じています。
お客様名 | 株式会社 新日本海洋社 |
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お客様概要 | 日本郵船株式会社を100%株主とする株式会社ウイングマリタイムサービスと海洋興業株式会社が 2019年に合併して設立された海洋事業サービス会社です。 |
業種 | 海洋事業サービス |
事業内容 | 港湾曳航作業、海難救助作業、サルベージ、海洋調査、洋上風力発電を始めとする 海洋開発プロジェクトのサポート業務、曳船、作業船及び舶用機器等の売買業務等 |
創業 | 1959年(昭和34年) |
所在地 | 横浜市西区みなとみらい3丁目6-1 みなとみらいセンタービル19階 |
URL | https://www.snkaiyosha.co.jp |