操作マニュアルの作り方を5ステップで!ポイントや注意点も解説
最近はマニュアルの必要性がよく知られるようになり、さまざまな場面でマニュアル化が進んでいます。それは業務のプロセスだけではなく、業務で使う機械やシステムのための操作マニュアルについても同様です。勤怠システムや経費精算システムなどの操作マニュアルを見ながら必要な操作を行った、という経験がある方も多いのではないでしょうか。この記事では、操作の再現性を高く引継ぎ、効率的な業務に欠かせない操作マニュアルの作り方を5ステップで、ポイントや注意点とあわせて解説します。
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操作マニュアルに記載すべき必須項目
操作マニュアルには次の3つの記載が必須です。
操作の目的
操作マニュアルに記載すべき項目の1つ目に挙げられるのは、操作の目的です。何のために行うかを理解することで、操作の必要性や重要性を認識することができます。業務の全体像、操作するタイミングなどの把握に役立ち、再現性高い操作手順を情報展開しミスの防止や作業効率向上につながります。
操作手順
操作手順の記載は操作マニュアルには絶対に外せません。まずはマニュアル通りに行えば正確に操作できるように書かれていることが大前提です。加えて、ただ手順を示すのではなく、どのような操作をするかが、きちんとわかるように記載されていることが重要です。大まかすぎると操作方法がわからず、細かすぎると読むのに時間がかかってしまいます。そうした事態を防ぐため、適切な粒度で書かれていることも操作マニュアルには求められます。
得られる結果
記載すべき3つ目の項目は、操作を行うことで得られる結果です。操作の間違いがはっきりとわかる場合はよいのですが、そうでない場合もあります。例えば、「1+1」を計算機で計算する際に「1+2」と押し間違えて「3」が表示されても、正解が「2」であることがわかっていなければ本当に正しいのか疑心暗鬼になるでしょう。このように操作を間違えていないかという不安が生まれないよう、正しい操作で得られる結果が明確に示されていることが必要です。
操作マニュアルの作り方5ステップ
操作マニュアルの作成は大変に思えますが、実は5ステップでできます。1つずつ見ていきましょう。
ステップ① 使う人・読む人を決める
操作マニュアルを使う人・読む人は、実際に操作をする人です。操作マニュアルは「どんな人でも操作できること」が基本とされますが、操作する人が限られていて「どんな人でも操作できること」が不要である場合もあります。技術や熟練度の高い人しか操作しないものについての平易な記述は、かえって理解を妨げます。実際にどんな人が操作をするのかを考え、利用者・利用シーンにあわせたマニュアルを作ります。
ステップ② 記載する内容を決定する
すべての操作を逐一記載したとすると、操作マニュアルは膨大な量になり、読むのに時間・労力がかかりすぎたり、必要な情報にすぐにたどり着けなくなったりします。こうした問題を回避するために、操作マニュアルは適切な量でなければなりません。操作ができることを基本としつつも、あまり重要でない部分は割愛することも大切です。優先順位をつけて記載する内容を決定し、記載しなかったものについては問い合わせで対応する旨を明記します。
ステップ③ 操作方法を記述する
操作方法の記述は操作マニュアルを作るなかでも、もっとも肝心な部分です。実際に操作をする開始と終了の状態と各過程を、わかりやすく記す必要があります。だらだらと長文で説明するのではなく、短文での的確な指示としましょう。迷わないよう、言い切り型とすることもポイントになります。
ステップ④ 操作方法以外の内容を記述する
操作マニュアルには操作方法以外にも注意点や禁止事項も記載する必要があります。注意点は操作をするにあたって気をつけなければならない点、禁止事項はやってはいけないことです。特に重大で絶対に禁止するような事項は、マークや色使いから一目でわかるように記載します。
ステップ⑤ 校正・確認する
操作マニュアルの記述に間違いがあると正しい操作が行えず、信頼性が失われます。事故や故障が引き起こされる可能性もあるため、正確な記述となっているか、校正段階でしっかり確認しなければなりません。実際にマニュアル通りに操作してみると、正確性が確認できます。初心者向け操作マニュアルであれば、対象の機械やシステムを一度も操作したことがない人に実際にマニュアル閲覧しながら操作してもらうことも効果的です。
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操作マニュアルの4つの基本事項と作成ポイント
操作マニュアルには基本事項が4つあります。作成の際にはポイントとなるので、しっかり確認しましょう。
情報が網羅されていること
必要な情報が掲載されていない操作マニュアルは、利用されなくなってしまいます。このため記載すべき情報に欠落がないか、厳しくチェックすることが必要です。
わかりやすいこと
記述がわかりにくいと解釈違いや誤解が生じ、正しい操作ができなくなる可能性が生じます。また、読む気を損ねてしまうことにも注意が必要です。わかりやすくするための工夫としては、以下のようなポイントを意識するとよいでしょう。
- 5W1Hを意識する
- 専門用語を多用しない
- 視覚へ訴えかける
禁止事項がわかること
操作マニュアルには正しい操作方法が示されていなければなりませんが、同様に行ってはいけない操作が明確にわかることも求められます。故障や事故につながるような誤った操作は特にしないよう、注意喚起する記述も必要です。
更新しやすいこと
操作マニュアルは作成して終わりではなく、継続的に活用されるものです。操作方法に変更が生じた場合はもちろん、マニュアルの記載内容や記述の仕方を変えたほうがよいような場合にも更新が必要になります。変えるべきところだけを容易に修正できるような更新のしやすさも、操作マニュアルには大切でしょう。更新しやすい環境をつくるために、マニュアル管理ツールを導入することもおすすめです。
良い操作マニュアルにするためのポイントと注意点
良い操作マニュアルとするためには、以下のポイントと注意点も押さえておきましょう。
丁寧すぎる説明はNG
わかりやすくしようとすると、説明は丁寧で細かいものになりがちです。当然、記述は長くなりますが、これは読み手にとって負担になることに注意しなければなりません。また、ボリュームが大きすぎると読まれなくなるだけでなく、保管や持ち運びが大変といった問題も起こってきます。
探しやすくする
操作マニュアルは多くの場合、何らかの操作をする際に該当する部分だけを読む、という形で使われます。このため、すぐに目当ての情報にたどり着けなければ、良い操作マニュアルとはいえません。素早く目的の内容を探し出すことができるよう、以下のような工夫が必要です。
- 内容を整理して、適切に大見出し・中見出し・小見出しをつける
- ページをふり、目次をつける
- 索引を設ける
また、セットになっている操作は同一箇所に記載したり次に参照すべき項目として明示したりする工夫も求められます。
まとめ:5ステップでできる操作マニュアル作成方法を習得しよう
機械やシステムの正しい取扱方法を記載したものが操作マニュアルです。操作マニュアルがあれば経験不足や未熟な従業員であっても、その機械を操作できるようになります。また、操作スキルを持った従業員の幅が広がることで効率化につながり、さらに間違った操作による事故や故障も未然に防ぐことができます。
この記事では操作マニュアルへの記載必須項目、5ステップでの作り方、4つの基本事項と作成ポイント・注意点について解説しました。ぜひ、利用者によく読まれる操作マニュアルを作る参考にしてください。