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SLA・SLO・SLIの違いを紹介!品質管理とサービス運用を強くする基本と実践ポイント

この記事でわかること

  • SLA・SLO・SLIの違いとつながりを、“契約・目標・指標”の視点で直感的に理解できる
  • 品質管理の現場で、実際にどう活用し、どんな落とし穴や課題があるかがわかる
  • マニュアル化・ナレッジツール導入など、品質管理を組織に根付かせる実践的な進め方が身につく

SLA・SLO・SLIの違いは「契約・目標・指標」で分かる

はじめに、SLA・SLO・SLIの違いをシンプルに整理します。どれも「サービス品質の管理」に関わる用語ですが、それぞれ役割が異なります。

  • SLA(サービスレベル契約)は、サービス提供者が顧客に対してどのような品質を保証するかを約束する「契約」です。
  • SLO(サービスレベル目標)は、そのSLAを守るためにサービス提供者が内部で設定する「目標値」です。
  • SLI(サービスレベル指標)は、SLOの達成状況を客観的に測る「数値データや実績値」です。

SLAが「契約」、SLOが「社内目標」、SLIが「評価データ」

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やSSC(シェアードサービスセンター)の現場で考えると、

  • SLAは「受託した請求書処理業務について、月末締め翌営業日までに99%以上の処理完了を保証します」といった、顧客と結ぶ品質保証の約束になります。
  • SLOは、SLAを守るために「社内チームでは99.5%以上の請求書処理を翌営業日までに終わらせることを目標にする」といった、より高い基準を設定するものです。
  • SLIは「今月実際に翌営業日までに処理できた請求書の割合」や「月ごとの平均処理時間」といった、日々集計・評価される実際の数値データです。
項目 SLA(サービスレベル契約) SLO(サービスレベル目標) SLI(サービスレベル指標)
役割 顧客との契約・約束 SLA達成のための社内目標 SLO達成度を測る指標
対象者 顧客、法務、事業部門 サービス提供、開発・運用 技術者、現場チーム
性質 法的拘束力あり 達成を目指す目標値 実際の実測値
未達時の影響 ペナルティ発生 SLA違反リスク高まる SLO/SLA未達のトリガー
柔軟性 低い(合意必須) 中程度(見直し可能) 高い(調整しやすい)

SLA・SLO・SLIを確実に運用するために、最新内容を正確に周知することが重要です。マニュアル作成・運用サービス「COCOMITE(ココミテ)」は、仕組み構築に貢献します。まずはダウンロード資料で概要をご確認ください。

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それぞれの特徴を押さえながら、以降で詳しく解説します。

SLAとは?サービス品質を守るための「約束」

SLA(Service Level Agreement)は、サービス提供者と顧客の間で取り交わされる品質保証の契約です。ITサービスやBPO、コールセンター運営などさまざまな分野で導入されています。SLAを設けることで、責任範囲や補償内容が明確になり、万一の際のトラブルや誤解を防ぐことができます。

SLAをきちんと運用するためには、次のような内容を契約書や運用ルールでしっかりと定義することが重要です。

  • サービスの範囲・内容
    どんなサービスをどこまで提供するか、何が含まれて何が対象外かを明確にします。
  • 具体的な品質指標
    数値で測定可能な目標を設定します。例:「稼働率99.95%以上」「初回応答1時間以内」など。
  • 未達時のペナルティや補償
    品質を守れなかった場合にどうするか(返金、割引、追加サポートなど)を決めておきます。
  • 運用ルールや報告体制
    品質測定の方法や報告のタイミング、問題発生時の連絡体制なども明確にします。
  • 例外事由
    天災や計画的なメンテナンス、利用者側の問題で品質が守れない場合の扱いも忘れずに定義します。

SLOとは?サービス運用の「現場目標」

SLO(Service Level Objective)は、SLAという契約を守るため、社内で定める具体的な目標値です。これは外部に見せる契約ではなく、サービス提供の現場で「どこまで品質を高めたいか」を表す指針になります。
SLOを現場でうまく使うには、いくつかのコツがあります。

  • 目標値を決めることで、チームの行動指針や優先順位が明確になります。
  • 新機能リリースなど、リスクのある取り組みを進める判断材料になります。
  • SLOは高すぎても現実味を失い、低すぎても品質が下がります。過去の実績やビジネス要件をふまえ「現場が頑張れば達成できる」現実的なレベルを意識しましょう。
  • SLOは社内で共有し、誰もが参照できるようにすることが大切です。透明性が高まることで、現場の当事者意識が強まります。

SLIとは?サービス品質を「測るための指標」

SLI(Service Level Indicator)は、SLAやSLOで定めた目標がどれくらい達成できているかを「見える化」するための具体的な指標です。実際に計測した数値をもとに、現状の品質を客観的に評価できます。

以下は、実際の運用現場でよく活用されるSLIの一例です。

指標名 内容例
可用性 サービスが止まらず動いていた時間の割合
レイテンシ リクエストから応答までにかかった平均・最大時間
エラー率 全リクエスト中、失敗(エラー)が発生した割合
処理件数・完了率 一定期間内で処理したトランザクションの件数・成功率

こうしたSLIをもとにSLOの達成度を判断し、SLAの遵守につなげていきます。

SLA・SLO・SLIの実践ポイント|どんな課題がある?

SLA・SLO・SLIを導入し、運用していく際には、次のような課題や注意点があります。

  • 非現実的なSLAの設定
    技術やコストを考慮しないまま高すぎる目標を掲げると、現場が疲弊しやすくなります。関係部署でしっかり相談して設定しましょう。
  • ユーザー目線のSLI選定が必要
    指標が多すぎたり、重要でないデータを集めすぎると現場の負担が増えるだけです。本当にユーザー体験に直結する指標を厳選することが大切です。
  • SLOの形骸化
    達成してもしなくても関係ない「努力目標」になってしまうと、組織全体の意識が下がります。SLOの達成度は必ずチェックし、議論や改善アクションにつなげる仕組みを用意しましょう。
  • 部門横断の協力体制が不可欠
    品質管理は開発や運用チームだけでなく、ビジネス側も一体となって進めることで効果を発揮します。

導入現場で得られるメリット5選

SLA・SLO・SLIをしっかり運用することで、現場や企業全体に次のようなメリットがもたらされます。

  1. 品質保証の根拠を持てる
    品質や信頼性を「数値データ」で語れるため、顧客や社内に対して説得力のある説明ができるようになります。
  2. 顧客・委託先とのトラブルを減らせる
    期待値が明確になることで「言った言わない」のトラブルを減らし、スムーズな関係を築けます。
  3. サービス運用の現場改善につなげやすい
    日々のSLIデータをもとに、現場の課題やボトルネックを発見しやすくなります。改善の優先順位も立てやすくなります。
  4. 社内チームの行動指針になる
    目標がはっきりすることで、チームの行動や意識が揃いやすくなり、自律的な改善活動が促進されます。
  5. 継続的な改善・効率化を図れる
    定期的な評価とフィードバックのサイクルが組み込まれることで、品質向上と効率化を無理なく進められます。

マニュアル作成・運用ツールの導入で「品質管理」を仕組み化しよう

SLA・SLO・SLIを確実に運用するには、最新で正確なマニュアルやルールを「誰でも」「すぐに」確認できる仕組みが不可欠です。ここではマニュアル作成・運用ツールを導入し、品質管理を仕組み化するポイントをご紹介します。

1. 規定・規約から業務手順書まで幅広い様式に対応

  • 文章のみマニュアル作成可能、十分な文字数を記入できる様式、画像や動画で補足可能等、用途に合わせた様式を選択可能。規定・規約等文章メインのドキュメントから、受託業務対応時に参照する手順書まで一元管理できる
  • マニュアル作成工数削減のため、生成AIがマニュアルの下書きを自動生成。マニュアルのタイトルや目的等を入力するだけで、マニュアル構成と本文をAIが自動生成。観点の網羅もでき、より詳細なマニュアルへ。

2. 大企業クライアントでの情報や複数案件を一元管理可能

  • ドキュメントを管理するため、5階層フォルダで運用可能。大企業クライアントでのマニュアル管理や、複数案件情報を一元管理。
  • 情報をセキュアに一元管理するため、フォルダやマニュアルごとに、編集・閲覧権限を細かく設定可能。

3. クライアント情報をセキュアに管理

  • 顧客の機密情報が含まれるケースも多いため、セキュリティ要件をクリアした信頼できるツールを選ぶと安心。

4. 既存マニュアルをツールに移行するサービス

  • 既に社内にあるマニュアルをスムーズにツールへ移行するサービスやサポートで、移行しやすく始めやすい

5. 現場メンバーが見たいマニュアルをすぐに見つけられる

  • マニュアルを手元で見ながら業務遂行することでミスを低減できる。見たいマニュアルをすぐに見つけられる、キーワード検索やタグ検索、ハイライト表示でスムーズに。

まずは現場の業務フローと指標を「見える化」してみよう!

品質管理やサービス改善の最初の一歩は「現場の業務フローや評価指標の見える化」です。手順はとてもシンプルです。

  1. 主要な業務フローを書き出す
    まずは自社の重要な業務(新規顧客対応、注文処理など)について、現場の担当者と一緒に最初から最後まで洗い出します。
  2. 顧客視点で評価指標を考える
    「お客様にとって成功とは何か?」を基準に指標(SLI)を考えてみてください。
  3. マニュアルとして文書化する
    マニュアル作成ツールなどを使って、業務フローや指標をまとめます。これが最初のSLOの土台になります。

オンラインマニュアル作成・運用サービス「COCOMITE(ココミテ)」は、業務品質向上がミッションとなるBPOやシェアードサービス業界などを中心に強みを発揮するサービスです。

  • 1ステップ2400文字まで、文字のみマニュアル作成可能、章節項構造、表や画像・動画添付可能。規定や規約から業務手順書まで幅広いジャンルで作成可能
  • 5階層フォルダ×細かなアクセス権限設定で、大規模運用もセキュアに実装
  • コニカミノルタが提供する無停止システム×継続しやすい価格帯で情報管理の基盤に
    まずは、30日間の無料トライアルでお手元で、ぜひお試しください。

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