
株式会社プレナス様 導入事例属人化しやすい経理業務を“活きたマニュアル”で見える化。引き継ぎ時間を1/3に削減し、ジョブローテーションしやすい仕組みへ
「ほっともっと」「やよい軒」などの飲食ブランドを展開する株式会社プレナスの経理部様では、専門性が高く変化も多い経理業務において、引継ぎ負荷の増大や属人化、それに伴う業務改善の停滞が課題となっていました。
課題解決に効果的なジョブローテーションを推進するため、オンラインマニュアル作成・運用サービス「COCOMITE」を導入。業務一覧表(約750業務)とマニュアル作成ルールを整備したうえで、1年で約300本の手順書を作成。その結果、効果の大きい業務に関しては引き継ぎ時間がCOCOMITE導入前の「2時間×3回」からCOCOMITE導入後は「2時間×1回」となり、約1/3に短縮されています。
※本記事の内容は、2025/12/10に開催したセミナー「「ほっともっと」のプレナス 経理部が実践!形骸化マニュアルから脱却し、属人化を解消する「活きたマニュアル」運用術 ~ジョブローテ推進のため引継ぎ時間を1/3に短縮、業務見える化で改善を加速~」の内容をもとに作成しています。

まとめ
- お客様名株式会社プレナス
- 業種飲食業(ほっともっと/やよい軒/MKレストラン)、フランチャイズ事業、食材・包装等資材の販売
- 課題
– 専門知識が求められ、新人の即戦力化が難しい
– 難易度の高い業務ほど属人化しやすく、欠員時のリスクが大きい
– 手順書の形式・更新状況が統一されておらず、活用されていない - 目的
– 業務改善のきっかけとなるジョブローテーションを進めるための基盤づくり
– 作成・更新され続けるマニュアル運用の実現
- 効果
– 引き継ぎ時間:約1/3に削減(2時間×3回→2時間×1回)
– マニュアル作成数:約1年で約300本
– 1業務あたりの所要時間減少(改善効果の可視化)

導入前の課題
専門知識の習得とルール変更が多く、即戦力化が難しい
プレナス経理部様では「会社の数字を正しく迅速に経営層に伝え、経営判断をサポートする」というミッションのもと業務を遂行すると同時に、「いかに業務効率化できるか、業務をやるだけではなく、改善活動を続けられるか」という点に重きを置いています。
経理業務では、会計基準や税法などの専門知識が必要になることに加え、会社の取り組みに合わせて業務フローの見直しもたびたび発生します。前提知識と経験が求められる場面も多く、短期間での戦力化が難しい状況でした。
難易度が高い業務ほど担当が固定化し、属人化が進んでいた
下記のようなシーンで業務属人化の課題が発生していました。
・1業務の中でもタスク単位で縦割りに業務が振られており、問い合わせが部内外問わずたらい回しになる。
・専門性が高く、発生頻度が少ない業務では、特に担当者が固定化されやすい。年度末決算のように年1回の業務では、複数年に渡って同じ担当者が対応するケースもある
和田様:「この業務は○○さんしか分からない」「その人が抜けると業務が止まってしまう」といった状態が、部内では珍しくありませんでした。体調不良などで休まれた場合、業務を持ち帰って対応したり、納期を後ろ倒しにしたりすることも実際にありました。それらのリスクに加え、他の人が経験を積めない、改善の進捗が担当者に委ねられてしまうという点においても悪循環に陥ってしまいます。
和田様:以前、サブリーダーが退職した際には、短期間での引き継ぎが必要でした。手順書や引き継ぎメモがほとんどない状態で、残された資料を一つ一つ読解していくしかなく、作業を紐解きながら、同時に業務自体の内容を理解することが必要な状況でした。資料は複雑で専門用語も多く含まれるため、理解が大変だった記憶があります。
ジョブローテーション推進のため、マニュアル整備プロジェクトが始動
業務が人に付いてしまう属人化が進むと「現状手順に固執して業務改善が進まない」「欠員時に業務が止まる」リスクがありました。プレナス経理部様では、解決策として、ジョブローテーション推進を検討されました。
和田様:ジョブローテーション推進のためには、引き継ぎのスムーズ化が重要です。経理業務は情報量が多く、同じものを見ながら会話できる状態が必要なので、マニュアルがカギでした。しかし、マニュアルツール導入前は、担当者ごとに手順書作成しており、Excel、PowerPoint、Wordで作成されたものに加え、手書きの手順書を代々引き継いでいるケースもありました。「手順書は、引き継ぎ時に使う・業務を覚えるまでだけ使うもの」という認識が強く、引き継ぎ後は見られなくなることが多かったです。結果的に、必要なときに手順書が見つからずゼロから作成したり、口頭で教えたりするケースが発生していました。必要な情報が足りていない、古い手順書しか残っていない、そもそも情報がないという状況を改善するため、マニュアル整備プロジェクトが立ち上がりました。
導入の決め手
Excelでの手順書・マニュアル運用には限界があると判断
和田様:マニュアル整備検討時、優先したのは作成にかかる手間を減らすこと・更新のしやすさ・フォーマットの統一でした。まずはExcelでフォーマットを作成し、検証を行いました。Excelでは、更新に手間がかかる点や、体裁が崩れやすい点など求める要件からは乖離しており、この方法では「活きたマニュアル」として運用し続けることは改めて難しいと感じました。その中で、フォーマットが固定されており、テキストや画像の挿入・編集など作成にかかる手間も軽減できるマニュアルツールの導入を検討し始めました。マニュアルは「人に見られる前提でないと作らない、後回しになりがち」なアイテムです。誰でもいつでも見られる運用を簡単に作れるクラウドのマニュアルツールであれば、「活きたマニュアル」として運用・活用できる体制を作れるのではないかと考えました。
他社ツールと比較し、COCOMITEは情報量の多い業務に適したUIだった
和田様:経理業務は細かな操作や手順が多く、画像やテキストの分量が多くなります。その点、COCOMITEでは、1ステップに画像を4枚まで・テキストを2400文字まで記入できるため、必要な情報をまとめられると判断しました。動画を活用する手順書を作る業務内容も多くないことから、テキスト×画像メインのCOCOMITEの形式が最適であると判断しました。


活用されるマニュアルの運用体制づくり
プロジェクト体制でマニュアル整備を推進
■導入ステップ
– 業務一覧表の作成
→管理職中心に一覧化。2025年12月時点で750業務ほどが一覧化されている
– 作成ルール・運用ルールの構築
– 作成目標設定、ルールを現場に周知
→1人あたり月2本を目途にマニュアル作成
– メンバーへ共有、レクチャー
– メンバーでマニュアル作成
– 進捗確認
和田様:業務一覧表はCOCOMITE導入に合わせて作成しました。現時点(2025年12月)で約750業務が一覧化されており、定期的に内容をアップデートしています。業務一覧表があることで、何の手順書を作成すればいいかわかるため、重要なアイテムです。マニュアル作成ルールでは、例えば概要欄には「業務概要」や「業務サイクル」、「所要時間」など9つの必須記入項目を設ける、STEPには標準の手順を記載してイレギュラー対応が発生した際にはコメント欄を活用する、などのルールを設定しています。メンバーもマニュアルの必要性は以前から感じていたので、各自のスケジュールに合わせながらまずは各々担当する業務の手順書作成を進めてもらっています。
■COCOMITEでのマニュアル整備工夫ポイント
・COCOMITEのタグ機能を活用し、「人タグ」を作成。手順書と紐づけることで、該当業務を経験したことのあるメンバーが誰なのかを可視化。タグの少ない業務については、経験者の少ない業務=属人化の傾向が見られる業務としてジョブローテの優先対象に設定。
・業務一覧表を併用し、作成済の手順書については業務一覧表上にURLを貼付し、手順書の作成漏れ/重複/未更新を防止。最後の作成・更新から半年以上経過したマニュアルは放置されないように、アナウンスを実施。現担当者が内容チェック・更新する運用。
・ステップごとに作業時間を記載し、ボトルネックを早期に把握できるようにしている。
和田様:手順書作成は評価されづらい業務です。ステップごとの作業時間短縮が明らかになることで、手順書起点で業務改善された成果が見える化され、評価やモチベーション向上に繋がると考えています。
導入の効果
引き継ぎ時間を約1/3に短縮、新人独り立ちの早期化へ
和田様:ある業務の引き継ぎではもともと「2時間×3回」のOJTをしていましたが、COCOMITE導入後は「2時間×1回」となり、引き継ぎ時間が約1/3に短縮されました。引き継ぎの場で会話する前にCOCOMITEで事前学習し、聞きたいことを整理できるようになったため、引き継ぎ工数削減に繋がっています。引き継ぎされた側は、分かりづらかった箇所をCOCOMITE上で加筆することで、より理解が深まると共にマニュアル自体のアップデートも回り続けます。
1業務あたりの所要時間減少、業務改善が進行
和田様:ステップごとの作業にかかる時間を記載するルールで運用していますが、更新のたびに所要時間が短くなっているケースもあります。業務改善・効率化が進んでいる証だと思っています 。
1年で300本マニュアル作成。手順書の更新頻度UP/化石化した手順書の排除に成功
和田様:手順書作成自体のスピードアップに加えて、定期的なチェックで実態に合わない箇所を随時修正できる体制になりました。COCOMITE内には半年以上更新が滞って放置されている手順書はありません。導入後約3か月で30本作成し、運用開始から1年間で作成途中の手順書含めて約300本の手順書をCOCOMITEで作成しています。
トラブル対応ナレッジが蓄積され、誰かが抜けたときでも安心できる、お守りのような存在として活用されているCOCOMITE。目的であったジョブローテーション推進の土台へと繋がっています。


成果拡大に向けた今後のアクション
手順書だけでなく、業務間の繋がり・全体像を学べるマニュアル化も推進
和田様:まずは各担当者作りやすい比較的難易度の低い業務から手順書作成が進んでいる傾向があるため、高難易度業務の手順書化も進めていきたいです。また、今は見ながら作業できるツールとして「手順書」を作っていますが、業務間の繋がりや一連の業務がわかる「マニュアル」も業務一覧表と紐づけながら作成していきたいと思っています。会社としての取引全体像が見える化され、新人教育等にも活用できるようになればより価値のあるものになってくると思います。
人事部でのCOCOMITE活用もスタート、さらなる展開を視野に
和田様:経理部から始まり、人事部でもCOCOMITE活用が進んでいます。社として統一の手順書化・マニュアル化が進むと、人員配置転換時もスムーズな引き継ぎができると思います。経理部で蓄積してきた、手順書運用の基本形式を会社全体に展開できると良いと思っています。
和田様:会計基準や税法など、さまざまな知識を習得する必要がありますし、ルールも頻繁に変更されます。そのため、なかなか即戦力化が難しい業務であると感じていました。また、会計のミスは会社としての判断や信用に関わるため、正確性が求められる業務でもあります。